2008年5月31日土曜日

Life Sciences Career Day in IPRに参加しました

 5月30日(金)に大阪大学蛋白質研究所で院生の会の主催で行われた「Life Sciences Career Day in IPR」に参加してきましたので、開催内容をご紹介します。

 生物科学において多方面で活躍されている企業研究者や大学研究者のこれまでの進路や、日常生活、心の持ちようなど、興味深いお話が聞けた貴重な一日でした。


【プログラム】

田中 良和(サントリー植物科学研究所所長)
  『民間企業における研究開発と研究者の一例』

小根山 千歳(大阪大学微生物病研究所助教)
  『自分らしく駆ける』

小西 典子(武田薬品工業株式会社)
  『苦あれば楽ありの創薬研究と子育て』

白楽ロックビル(お茶の水女子大学教授 作家)
  『概念から放たれ現実を直視せよ!』


【注目のポイント】

《1.民間企業における研究開発と研究者の一例 田中 良和 氏》

 サントリーの “青いバラ” の開発者である田中さんは、4年間もの間、オーストラリアで青色遺伝子の取得に打ち込まれたそうです。『Blue Rose』とは、英語で不可能という意味があるそうです。その意味の通り、“青いバラ”の開発には多大な困難と苦労があったようです。

 このような困難を乗り越えてこられた田中さんの講演には、随所に心に響く一言がありました。

『強い者や賢い者が生き残るのではない。変化できる者が生き残るのだ。』ダーウィン

『何事も簡単にできるものは少ない。しかし、やってできないこともまた少ない。』

『賢者は愚者に学び、愚者は賢者に学ばず。』

『やってみなはれ!』

 また、成功のポイントを4つほど挙げられていました。

   *前向きなチャレンジ精神
   *出来ない理由を考えない
   *コミュニケーション力
   *協調性

 田中さんの印象は、自分の世界観を大切にしていらっしゃるようで、ユニークな良い方でした。


《2.概念から放たれ現実を直視せよ! 白楽ロックビル 氏》

 冒頭で、フロストの詩を紹介されていました。講演を最後まで聞いていると、『森の中で、道が2つに分かれていて、人があまり通っていない道を選んだ そのためにどんなに大きな違いができたことか』という詩の通りの人生を、白楽先生は歩んできたように思いました。また、タイトルの『概念から放たれ現実を直視せよ』には、過去の体験(特に成功体験)にとらわれずに、人生の目標をもって、常に新しい道を歩むべきだというメッセージが込められていました。(とても好きな詩なので、後ほど引用しておきます)

 途中、白楽先生は、院生の成功するための3つのポイントと、研究キャリアで成功するための5つのポイントを挙げられていました。

<院生の成功するための3つのポイント>

 1.滞空時間を長くする
 2.論文を出版する
 3.指導教員との関わりを持つ

 滞空時間とは、研究に費やす時間のことです。

<研究キャリアで成功するための5つのポイント>

 1.流行後20年の領域は、職が少ない
 2.好きな研究より、自分を活かせる研究を
 3.同年代より、中高年に好かれる
 4.独創的な研究は、30歳くらいと、40歳くらい
 5.独創性は、1歩先より0.2歩先

 “好きだから”だけでは、発展性に乏しいということでしょうね。 島岡 要先生のブロブ記事『好きなことを仕事にすべきか (revisit)』を思い出しながら、お話をきいていました。また、ノーベル賞受賞者の研究は、30歳くらいと、40歳くらいに始めた研究が多いそうです。独創性は、一歩先だと理解してもらえないそうです。(笑)

 後半では、バイオ博士号取得者についてのキャリアパスについて言及されていました。我が国での最近の著しい博士号取得者の就職率の低下に関する統計データを示されました。国家政策としては、明確な方向性は決まっていないようですが、白楽先生は自分で切り開くことの大切さを、冒頭の詩と先生自身の人生になぞらえて語られていました。

 お会いした印象としては、落ち着いたたたずまいの穏やかそうな先生でした。


【参考記事】

■ デキる大学院生になろう!
 ことを記事にしています。

■ 【研究本】大学院生のためのアタマの使い方
 企業に入って活躍できる人材になるために考えるべきことが書かれています。

■ 学生のうちにしておくべきこと
 学部生・大学院生の時にしか、できないことをまとめて、記事にしています。

■ キャリア・アドバイス
 働くことにおいて、心構えについて書いています。

■ ポスドク問題
 最近報道されている、ポスドク問題について記事にしています。

■ 【研究本】理系のための研究生活ガイド
 研究を始める学生に向けて書かれた本の紹介です。

【参考書籍】

(1)科学研究者になるための不肖・ハクラク進路ナビ―学生時代からの賢い進路選択で優れたバイオ研究者になる!

白楽ロックビル

2004


(2)グリンネルの研究成功マニュアル―科学研究のとらえ方と研究者になるための指針

フレデリック グリンネル

1998

(3)博士号とる?とらない?徹底大検証!―あなたが選ぶバイオ研究人生

白楽ロックビル

2000


【ロバート フロストの詩】

道が二本森の中に続いていた。

「歩む者のない道(選ばれざる道)」

黄色い森の中で道が二つに分かれていた

残念だが両方の道を進むわけにはいかない

一人で旅する私は、長い間そこにたたずみ

一方の道の先を見透かそうとした

その先は折れ、草むらの中に消えている


それから、もう一方の道を歩み始めた

一見同じようだがこちらの方がよさそうだ

なぜならこちらは草ぼうぼうで

誰かが通るのを待っていたから

本当は二つとも同じようなものだったけれど


あの朝、二つの道は同じように見えた

枯葉の上には足跡一つ見えなかった

あっちの道はまたの機会にしよう!

でも、道が先へ先へとつながることを知る私は

再び同じ道に戻ってくることはないだろうと思っていた


いま深いためいきとともに私はこれを告げる

ずっとずっと昔

森の中で道が二つに分かれていた。そして私は・・・

そして私は人があまり通っていない道を選んだ

そのためにどんなに大きな違いができたことか



【バックリンク】

● 【ひとこと】選難楽
● 【ひとこと】人の行く裏に道あり花の山

2008年5月30日金曜日

なくなってしまったサイトを見るには・・・


 WayBack Machineは、あらゆるWebサイトのその時々のページ内容を検索できるようにしているデータベースです。1996年から収集しているようです。

 これを使えば、なくなってしまったサイトも過去にさかのぼってみることができます。

2008年5月29日木曜日

【研究本】大学院生のためのアタマの使い方


大学院生のためのアタマの使い方

船川 淳志

2006


企業の人事関係者は採用した院卒者を次のように評価しているようです。

優良資産型・・・ 5%〜10%
遊休資産型・・・60%〜70%
不良債権型・・・35%〜20%

大半が「遊休資産型」ということになりますが、人より一歩抜きん出るには「優良資産型」になるほうが良いでしょうね。就職活動時にもきっと有利でしょう。


《目次》

はじめに
第1章 目指せ!優良資産型院卒
第2章 院生も要注意アタマの生活習慣病
第3章 効果的なアタマの動かし方
第4章 問題解決のアタマの使い方
第5章 対人力のアタマの使い方
第6章 プレゼンテーションスキルを磨く
第7章 チームリーダーの頭の使い方
第8章 効果的な会議を行うために
院卒座談会
本書で紹介した問題の答えについて
むすび

【バックリンク】

● Life Sciences Career Day in IPRに参加しました
● バイオポスドクの受難
● 大学院入試と就職活動
● 面接に成功する3つのポイント

2008年5月28日水曜日

バイオの買い物.com

バイオの買い物.com@統合TV

 今日は、Biocompareやバイオ百科と同じ、バイオ実験の買い物サイトをご紹介します。

【参考サイト】

(1)統合TV:2008-04-25
(2)バイオの買い物.com

2008年5月27日火曜日

【ひとこと】慌てる蟹は穴に入れぬ

慌てる蟹は穴に入れぬ


蟹はいつも穴に隠れるが、慌てている蟹は、穴に入り損なう。

落ち着いて、行きましょう。

2008年5月26日月曜日

in silico medicine 第5回 定例シンポジウムに参加しました


in silico medicine 第5回 定例シンポジウム

フィジオーム・システムバイオロジーの基盤構築と展開

【演題】

北野宏明 (ソニーコンピュータサイエンス研究所)
A robustness-based approach to systems-oriented drug design


横田秀夫 (理化学研究所)
「細胞内の場を考慮したシミュレーションに向けて
−細胞のモデル構築からマルチフィジックスシミュレーションまで−」


野村泰伸 (大阪大学MEIセンター・基礎工学研究科)
「フィジオームオープンプラットフォーム」


浅井義之 (大阪大学MEIセンター)
「insilicoML-1.0 specification −Draft and Perspective-」

 北野先生から、癌細胞と正常細胞との遺伝子回路の比較から、癌細胞にのみ特異的に脆弱な分子群を標的として抗癌剤の開発や、生体の維持に必須の遺伝子以外を標的とした創薬の戦略について、大変興味深いお話を聞くことができました。

【関連サイト】

(1)MEIcenter in silico medicine

(2)グローバルCOEイベントレポート
   講演の模様を報告しています。

【関連記事】

1.システムバイオロジー
2.システムバイオロジー part2

【バックリンク】

◦ System biology bookmark: HM's webpage

2008年5月25日日曜日

【本棚】最近購入した本


急速進展する血管研究
腫瘍血管新生の分子機構から動脈硬化などの心血管系疾患の発 症と最先端の治療まで

羊土社

2006





RIの逆襲
アイソトープを活用した簡単・安全バイオ実験

秀潤社

2007




マイクロアレイデータ統計解析プロトコール

Excelを中心としたデータの標準化から有意差解析,クラスタリング, ネットワーク解析法のすべて

羊土社

2008

5 mmのずれがメダルの色を変える

 雑誌を読んでいたら、平泳ぎの金メダリストの北島康介さんの記事を見つけました。スイマーとして尊敬する1人です。なぜ、彼が速く泳ぐために必要なトレーニングが紹介されています。

 例えばスクワット。形としては、バーベルを担いで、しゃがんで立ち上がるだけだが、北島の場合、左右のバランスを極限まで追求する。ヒザを曲げる時、伸ばすとき、完璧にまっすぐに下ろして、真っ直ぐに上げる。中心の軸が5ミリずれても、それが分かるように訓練していく。その、ほんのわずかなずれを修正するするために、どの筋肉を、どう使えばいいのか。その感覚を養っていくのである。

 なぜそこまでする必要があるのか。それは、平泳ぎという泳法が、左右対称の泳法で、筋肉の左右のバランスが非常に重要だからだ。

日経ビジネス Associe (アソシエ) 2008年 6/3号:   
ニュースのキーパーソン 北島康介

 普段、私たちは、細胞生物学的や分子生物学的な方法で、実験しています。そこには、いつも実験誤差がついてまわります。これらの誤差は、生物学的反応の不安定さから始まり、私たちが試料を調製して、最終的に測定するまでの各ステップに由来します。

 「生物学的反応の不安定さ」は、それ自体に意味があり、システムとして揺らぎがあるのだろうと理解していますが、一番の問題は、手技的誤差であり、できる限り改善する必要があります。

 したがって、研究の第一歩は、実験手技を習熟することになります。したがって、北島選手のように、操作の重要なステップで、mm単位のオーダー(実験によっては1 mm以下の動作が必要なこともありますが)を意識することが大切だと思いました。さらに、ある程度経験がある手法でも、絶えず「どうすればもっと上手くできるか?」を考えながら実験すると技が進化するのも間違いないでしょう。

 職人と言われる実験者は、きっとこれくらい、あるいはこれ以上に、シビアに毎日実験されているのではないでしょうか?

 私も、心に留めながら実験しようと思いました。


【参考図書】

日経ビジネス Associe (アソシエ) 2008年 6/3号

日経BP出版センター

2008

2008年5月24日土曜日

数学と科学の違いについての質問


 小飼 弾さんの、科学に関するエントリを紹介します。「数学に関する質問です。なぜ一度正しいと証明された定理が覆されることがないのか? ということが理解できません。」という質問に対して、小飼さんも解答されています。

 まず質問を引用しておきます。

数学に関する質問です。なぜ一度正しいと証明された定理が覆されることがないのか? ということが理解できません。

「あらゆる科学理論は本質的には仮説であって真理ではありえないので、常に反証される可能性がある。そして反証された時にその理論は敗れ去る」

これは非常に納得できることです。
しかしどうして数学の場合は科学のように反証可能性のようなものがないのかがわかりません。
「論理だから」というのは自分にとっては全然自明ではありません。
そう言われると、なぜ論理だと覆されることがないのか? という新たな疑問が生まれるだけです。
「論理だから」が本当に正しのか、そしてそれが正しいのならばどうして論理だと覆されないのか、
それともそれ以外の理由があって数学の定理は覆されないのかを教えてください。

人力検索はてな:数学に関する質問です。

 質問の「科学理論は本質的には仮説であって・・・」は、『99・9%は仮説』からの意見だと思います。まず、私の回答です。

数学は科学を理解するための手段として用いられるから

 科学の究極の目的のひとつには、現象の公式による記述があります。数学を土台にして、科学を構築するイメージです。科学は、膨大な公式(定理)と科学理論によって成り立っているか、あるいは、単純な式から複雑な現象が導かれる(カオス理論)のではないでしょうか。

 いずれにしても、科学は数学をよりどころとしています。したがって、定理化されたものは、確実である(竹内さんがいうところの限りなく白い近い仮説)と前提づけているのだ私は考えました。

 日常的な例で考えると、単語は辞書で定義され、私たちはその単語を繋げて曖昧な感情などを表現しようとすることと似ているのではないでしょうか?ただし、言葉は数式ほど頑強ではなく、時代とともにニュアンスが変化していくので、全く同じではありませんが。

 小飼さんの回答を引用しておきます。

数学は人が採点するが、科学は宇宙が採点するから

・・・

このように根っこのところでずいぶん異なる両者だけど、両者の相性は実にいい。結局のところ、宇宙は完全な無秩序ではなく、無秩序でないところには理論が成立する余地がある。そして理論が成立するところに、数学がある。

 小飼さんの最後の意見は、科学の一部を数学が担うという私の意見と近いと思います。いかがでしょうか?おもしろい質問でしたね。


【関連記事】

1.【研究本】99・9%は仮説

【参考サイト】

(1)404 Blog Not Found:数学と科学の違い
(2)人力検索はてな:数学に関する質問です。
(3)ウィキペディア(Wikipedia):カオス理論

2008年5月22日木曜日

【研究本】99・9%は仮説


99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方

竹内 薫

2006


科学の基本……それは、「世の中ぜんぶ仮説にすぎない」ということです。

竹内薫 Official Site:仮説とはなんでしょう?


 研究にたずさわる1人として、読んで良かったと思えた一冊です。仮説にはゆらぎがあるということを知っておくだけで、普段の実験も柔軟に考察できるようになった気がします。

《目次》

プロローグ 飛行機はなぜ飛ぶのか? 実はよくわかっていない
第1章 世界は仮説でできている
第2章 自分の頭のなかの仮説に気づく
第3章 仮説は一八〇度くつがえる
第4章 仮説と真理は切ない関係
第5章 「大仮説」はありえる世界
第6章 仮説をはずして考える
第7章 相対的にものごとをみる
エピローグ すべては仮説にはじまり、仮説におわる
「あたまを柔らかくする仮説」の答え
もっと知りたい人のための参考文献
本当のエピローグ


【参考サイト】

(1)竹内薫 Official Site:仮説とはなんでしょう?

(2)竹内薫 Official Site

【バックリンク】

● 数学と科学の違いについての質問

2008年5月21日水曜日

2008年5月20日火曜日

【ひとこと】水清ければ魚棲まず

水清ければ魚棲まず


水が澄み過ぎていると、魚はそこに棲むことはできない。

何事も、ほどほどにですね。

2008年5月18日日曜日

サイエンスについて知っておくべき3つの”定理”

 今回は、ハーバード大の島岡先生のブログを紹介します。サイエンスについての3つの定理を紹介されていました。



サイエンスについて知っておくべき3つの”定理”

1)サイエンスとはプロセスであり、単なる実験結果の集積ではない(Science is a Process, Not a Collection of Facts)ーサイエンスの本質とは”世界”がどうゆう仕組みで動いているかをシステマティックに解明するアプローチである(The essence of science, broadly defined, is that it is a systematic approach to figuring out how the world works)ー

2)サイエンスはひとをひとたらしめる営みである(Science is an essential human activity)ー芸術がひとをひとたらしめるのと同じく、サイエンスもひとをひとたらしめるー

3)サイエンスはすべてのひとのためにある(Anyone can do science)

ハーバード大学医学部留学・独立日記:サイエンスについて知っておくべき3つの”定理”

 サイエンスは、芸術に似ていると言われます。2つめの定理、サイエンスも”ひとたらしめる”行為であることも類似性の要因の1つなのだなと思いました。


【参考サイト】

(1)ハーバード大学医学部留学・独立日記:サイエンスについて知っておくべき3つの”定理”

【バックリンク】

● デザインとサイエンス
● サイエンスを愛するアーティスト

2008年5月17日土曜日

IUPS Physiome Project


 今回は、IUPS の、Physiome Projectのサイトをご紹介します。

The Physiome Project is a worldwide public domain effort to provide a computational framework for understanding human and other eukaryotic physiology. It aims to develop integrative models at all levels of biological organisation, from genes to the whole organism via gene regulatory networks, protein pathways, integrative cell function, and tissue and whole organ structure/function relations. Current projects include the development of:

  • ontologies to organise biological knowledge and access to databases
  • markup languages to encode models of biological structure and function in a standard format for sharing between different application programs and for re-use as components of more comprehensive models
  • databases of structure at the cell, tissue and organ levels
  • software to render computational models of cell function such as ion channel electrophysiology, cell signalling and metabolic pathways, transport, motility, the cell cycle, etc. in 2 & 3D graphical form
  • software for displaying and interacting with the organ models which will allow the user to move across all spatial scales

An important goal of the project is to develop applications for teaching physiology.



【バックリンク】

◦ System biology bookmark: HM's webpage

2008年5月15日木曜日

【研究本】理系のための研究生活ガイド


理系のための研究生活ガイド—テーマの選び方から留学の手続きまで

坪田 一男

発売日: 1997


《目次》

はじめに
ガイド01 研究者になるための8つのチェックポイント
ガイド02 ボスを選ぶ6つの条件
ガイド03 研究テーマを決める14の原則
ガイド04 コミュニケーションのABC
ガイド05 研究生活のためのパソコン利用11か条
ガイド06 研究者のための「超」読書術
ガイド07 研究のための知的時間管理法
ガイド08 楽しい研究生活のための体調維持術
ガイド09 論文を書く20のコツ
ガイド10 学会発表の6原則
ガイド11 マスコミとことん利用マニュアル
ガイド12 絶対留学するためのテクニック
ガイド13 研究費を集める14のノウハウ
ガイド14 研究をビジネスにする方法


【バックリンク】

● Life Sciences Career Day in IPRに参加しました
● ゴールを紙に書くことの大切さ
● 【研究本】理系のための人生設計ガイド

2008年5月14日水曜日

Google Scholarを活用しよう


Google Scholarは、実験条件の検索や、特定研究領域の概要を把握するのに最適です。PubMed, Googleと組み合わせて使っています。

【引用】

Google Scholar について

膨大な学術資料を簡単に検索できます。分野や発行元を問わず、学術出版社、専門学会、プレプリント管理機関、大学、およびその他の学術団体の学術専門誌、論文、書籍、要約、記事を検索できます。 学術研究資料の中から最も関連性の高い資料を探す際には Google Scholar をお役立てください。

Google Scholar の機能

  *多様な資料を簡単に検索
  *論文、要約、および引用を検索
  *図書館またはウェブで全文を閲覧
  *各研究分野の重要な論文を確認

論文の掲載順位はどのように決まりますか。

Google Scholar では、 Google ウェブ検索と同様、最も関連性の高い情報がページの上部に表示されます。 Google のランキング技術では、それぞれの記事の全文、著者、記事が掲載された出版物、他の学術資料に引用された回数が考慮されます。

【関連記事】

(1)まずは 溶かして 混ぜてみよう!:G-COE spring 2008 database

(2)まずは 溶かして 混ぜてみよう!:PubMedの使い方

2008年5月13日火曜日

【ひとこと】出藍の誉れ

出藍の誉れ


何かを教えてあげた人が、自分より上手にできるようになったら、少しうれしいですね。

青は藍より出でて藍より青し

2008年5月11日日曜日

文章の書き方


 今回は、nagaimichikoさんの『nagaimichikoの日記』から、文章の書き方についてまとめられた記事を引用します。ブログや論文などを書く時に参考になりそうです。

基本だけど最も大切なこと

・誤字、脱字がない
・人名、社名、サービス・商品名、日付、数値が正確
・不確かなことは書かない(コメントは言質をとる)(数字は要注意)
・思い込みや推測を書かない(書く場合はコラムで、責任を持って書く)
・一方的な宣伝とならないようにする
・確かな情報源からの情報でない場合は、2カ所以上から裏をとる
・感情的な表現は避ける(すごい、きれいなど)

「うまい記事」とは?

・「へーっ」と思うポイントをつかんである記事(=意外性、新鮮な視点)
・ポイントを前面に押し出せていること(タイトル、冒頭に持ってくる、焦点を絞り込む)
・わかりやすい(難しい言葉を使わず、専門用語には解説を加える)
・読んだ後で、ひとつ賢くなった気がする(笑)
・キャッチーなタイトル

内容

・過去からの流れを押さえる→背景・経緯を押さえることで理解が進む、「new」が引き立つ
・「なぜ今この発表・記事が必要か」を押さえる
・他媒体との差を意識する

テクニック

・小見出しを工夫する(キャッチー、小見出しだけ読めば内容がわかる)
・語尾をいろいろ変える(だ、いる、なる、した、という、と語る、ようだ、体言止め)
・パラグラフ・1文は短く(読みやすさを出す)

「記事は議事録とは違う」(BY 昔の上司)

・議事録:時系列に物事が並ぶ。重要度はつけない
・記事:重要な順に並べる。大事じゃない部分は省略可

nagaimichikoの日記:4年前にまとめた「記事を書く際の注意事項」を公開してみる


【参考サイト】

(1)nagaimichikoの日記:4年前にまとめた「記事を書く際の注意事項」を公開してみる

何を質問したらいいのか?

 以前、『どう質問したらいいのかという時に』というエントリを書きました。この記事では、質問の仕方に焦点を当てました。そこで、今回は、京大の柳田先生の著書を引用しながら、質問の内容についてお話ししたいと思います。

 研究を始めたばかりの時や、異分野に参入した時は、発表されている内容が、本当に全く分かりませんね。そんな時、私なら、悔しいので、周辺知識を貯えて再チャレンジするようにしています。柳田先生も本に書かれていますが、「門前の小僧習わぬ経を読む」という諺がある通り、意味が分からなくてもしばらく聴いていると何となく分かるようにもなります。(自分で予習すると理解が進むのは言うまでもありませんね)

《1.質問のしかたのノウハウ》

 ここでは、質問の種類と心構えについて書かれています。心構えについて引用しておきます。

・自分がこれからしようとする質問の意義を、前もって考えておく必要があります。
・おもしろかったら、素晴らしいと思ったらそんな気持ちを言葉に出しましょう。
・質問は常に建設的でありたいものです。

 つぎに、質問の分類について、本の内容をまとめておきます。

 (1)理解できなかった、あるいは聞き逃したことを質問する
 (2)データのとり方に関する質問をする
 (3)主要な結論や仮説について質問する

 このうち、(3)がもっとも聞き手の理解が進んだ状態で発せられる質問の形といえるでしょうね。対等な立場から、論理展開における矛盾点や、考察の妥当性などを指摘することになります。

《2.質問できない、質問する気が起こらなかったら》

 ここでは、質問しない学生を柳田先生が分析された結果について書かれています。

 簡単にいうと、質問は本来無理をしてするものではなく、自然に口をついて出てくるものです。全然分からなければ、全然分かりません、何とか教えてくださいというのが、質問になるわけです。

・・・(中略)・・・

次にわかったような気もするけど、何がおもしろいのか何が重要なのかさっぱりわからないということもあります。そんなことを口に出すのは相手に失礼、こんなことも思うようです。

柳田 充弘 生命科学者になるための10か条
 柳田先生がおっしゃるように、質問を強要するだけでは、学生を育てることはできないと私も常々思います。そこで、どうしたらいいかと考え、どのように質問すべきか、どんな質問をすべきかについて考えるようになりました。ここでは、柳田先生が提示された、2つのシチュエーションにおける具体的な解決法について考えてみました。

 まず1つ目の、全然わからない場合は、「全然分かりません」とストレートにいう人もいます。ただ、言い方によっては全否定になってしまい、破壊的討論にも進みかねません。そこで、もう一歩踏み込んで、言葉を付け足してみるといいのではないでしょうか?例えば、以下のような質問はどうでしょうか?

  「全体像が把握できなかったので、体系的にもう一度教えていただけませんか?」
  「主張(結論)は何でしょうか?」
  「主張のもとになった根拠を3つほど教えてください。」
  「この分野については門外漢ですので、基礎的なことから教えていただけますか?」

 次に、2つ目の、重要性がわからない場合は、「何が新しいの?何の意味があるの?」という攻撃的な質問になる場合があるようです。そこで、先と同様に建設的な質問の仕方を考えてみました。

  「なじみのないテーマですので、この結果にどのような意義あるのでしょうか?」
  「どのような応用が考えられますか?」
  「既に、類似の結果が得られていますが、それと比較して、どこが異なるのでしょうか?」

 いかがでしょうか?これらの質問例は、発表者から有用な情報を提供してもらうことを目的として有意義な討論ができるように考えています。ですので実際に使えるものばかりだと思います。(口論自体は目的ではありません)

【関連記事】

● どう質問したらいいのかという時に
● セミナーを受ける前に

【バックリンク】

◦ いい質問をするために気をつけるべきこと

【参考書籍】

生命科学者になるための10か条

柳田 充弘

【追記】
080511

 何を聞いたらいいのか?何がわからないのか?それがよく分からない場合は、どうしたらいいのでしょうか?こういう場合は、そもそも質問ができなくて当然ですね。こういう場合は、周りの人に具体的に質問してもらい、そこから質問の仕方を学ぶのがよいと思います。

パソコン作業がはかどるショートカット

 研究を初めてこれまで8年間ずっとMacを使い続けています。でも、最近は仕事でどうしてもWinが必要になり、超初心者として使い始めています。が、使いこなせていません。Macならある程度サクサクできる作業でも、Winではさっぱりなこともしばしば。というわけで、なんとか快適にWinを使うために、ショートカットの勉強をすることにしました。集めた情報をご紹介しましょう。これできっと、早くなるハズです。

《1.Mac》

Ctr + space
  Spotlightの呼び出し

Ctr + 1(などの数字)
  Spaces画面の切替

Cmd (apple) + tab
 アプリケーションを切り替える

Cmd (apple) + ,(コンマ)
 アプリケーションの環境設定を開く

ファイル選択でファイル名の頭文字を入力
 その文字で始まるファイルにフォーカスが移動する

Cmd (apple) + ↑
 1階層上のフォルダに移動する

Cmd (apple) + ↓
  1階層下のフォルダに移動する

Cmd (apple) - O, W, Q
  (ファイル・アプリケーションを) 閉じる、終了する

Ctrl + K
 カーソル右側のすべての文字を削除する

文字入力後変換前 Ctr + K
  カタカナ変換<ことえり>

Cmd (apple) + A
  全ての文字を選択

Ctr + H, D
  左、右の1文字を削除

Cmd (apple) + X, C, V
  カット、コピー、ペースト 

Ctr + O
  一行挿入

Cmd (apple) + S, Z
  保存する(ファイル)、取り消す(編集)

Cmd (apple) + I
  情報を見る

Cmd (apple) + T, W, M
  タブを開く、閉じる、ウィンドウをしまう<Safari, Firefox>

Alt (Opt) + Window閉じるボタン(赤)
  複数のウィンドウを一挙に閉じる

《2.Win (XP)》

Ctr + C
  コピー

Ctr + X
  切り取り

Ctr + V
  貼り付け

Ctr + Z
  やり直し

Win + W
  ウインドウを閉じる

Win + M
  開いている全てのウインドウを最小化

Win + Shift +M
  上記最小化のキャンセル

Win + F
  ファイル検索

ファイル選択→Del
  ゴミ箱にファイルを入れる

ファイル選択→Shift + Del
  ゴミ箱に入れずにファイルを削除

【参考サイト】

(1)mbp&co:Macの初心者向けショートカット20

(2)CROSSBREED:windowsを10倍便利にするキーボードショートカット集

(3)Windows ショートカットキー

(4)F.Ko-Jiの「一秒後は未来」:Mac初心者が初心者を脱するために覚えておきたいショートカットキー

(5)All About:Excel のキーボードショートカット集 Excel X for Mac を使いこなす

2008年5月10日土曜日

デスクトップを写真のように保存する


 以前、PCデスクトップを動画で保存する方法について記事にしました。今回は、WINで静止画像をキャプチャできるフリーソフトを紹介します。ちなみに、MACはapple + shift + 3 or apple + shift + 4でスクリーンキャプチャでます。(グラブも入っていますが)

 これで、パワポやちょっとした報告書に貼付ける図が、圧倒的に素早く挿入することが可能になります。おすすめです。本ブログの記事にも、この機能を使っています。

【関連記事】

(1)まずは 溶かして 混ぜてみよう!:デスクトップ操作をデモンストレーションする


【参考サイト】

(1)フリーランス プログラマー アキのサイト:キャプチャー画像を保存する(スクリーンショットを取る)

(2)Vector:CaptureD

【追記 080510】

mbp&co:スクリーンキャプチャ特殊技あれこれ
  Macのスクリーンキャプチャの応用編についての記事

第47回生体医工学会大会に出席しました



 先日、神戸で開催された第47回生体医工学会大会に行ってきました。興味深かった演題をご紹介します。

《1.シンポジウム1「医工連携における人材育成」》

■橋本 成広 医工学系学部における教育

 大阪工業大学医工学研究センターの橋本 成広 先生は、センターの教育・広報への取り組みについて紹介されていました。まず、教育としては、アーリーエクスポージャー(early exposure)として、実習室と研究室を隣接させ、短期間学生を研究室に配属し、興味をもたせる試みがなされていました。また、広報としては、入学前・入学後のガイダンス、父母説明会など精力的に行われているそうです。講演を聴くだけで、大変な努力がひしひしと伝わってきました。しかし、確実にその成果として、医工学を個人単位で誘導した優れた人材が育ちつつあるようでした。

 講演中、印象的だったのは、就職活動における、「結局専門は、医か?工か?と聞かれて学生は困ってしまう」というの面接官のコメントでした。これはやはり、両方を満遍なく学ぶ必要性が浸透していないためだろうと推測します。また、企業側もこのような人材を今後、どう活かすか?を考える必要があると思います。ただし、卒業生は管理職に向くとのことで、就職率は良さそうな印象を持ちました。今後のキャリアパスがどうなるのか興味深いです。

■山口 隆美 医工連携における人材教育?医療工学技術者創成のための再教育(REDEEM)5年間の経験を通じて考える

 東北大学の山口先生は、いつもながら歯に衣を着せぬスタイルで、会場からは時々笑いが起こっていました。とてもパワフルで、個人的に尊敬している先生のひとりです。

 医者とエンジニアが対等な立場で、ともに歩むべきであることを強調されていました。

 印象に残った一言は、「教える側も再教育を受けるべき」ということでした。これは私自身も日頃注意していることでもあります。というのは、過去にインプットした知識のみで、教育し続けていると、内容のクオリティーが向上しないからです。ただ、このように考える教員は少なく、逆に反発されるとのことでした。私自身も、こういった経験があるので「やっぱりそうなのか!」と深く納得してしまいました。

 あと、インパクトがあったのは、ブタの解剖実習をされているそうで、山口先生自身も、手術着をきて解剖されているところを紹介されていました。

 東北大学まで行くのは少し遠いですが、REDEEMは一度受けてみたいですね。
 
《2.シンポジウム5 「フィジオーム・システムバイオロジーの基盤と展開」》

■中尾 光之 階層的生体システムのモデリングについて

 中尾先生は、概日リズムを生体レベルと分子レベルの両側面からの解析結果を紹介されていました。先生が強調されていたことは、分子→生体へのボトムアップ型と、生体→分子へのトップダウン型の両方の研究を進める必要性があり、実際両方の研究成果を説明されていました。分子からは、概日リズムに関わる遺伝子ネットワークからを単純化してモデル化し、細胞実験との整合性を確認していました。生体からは、睡眠実験より、時間感覚の狂いを観察することにより、CNS(視交叉上核:概日リズムの中枢として知られている)と末梢の制御関係を明らかにしていました。今後は、両者の擦り合わせが課題となるとのことでした。


*記事を書いていると、要素還元論とシステムバイオロジーについて、考えてしまいました。また、あらためて記事にします。

【関連記事】

(1)まずは 溶かして 混ぜてみよう!:第47回生体医工学会大会が開催されます

(2)まずは 溶かして 混ぜてみよう!:脳と遺伝子の生物時計

(3)まずは 溶かして 混ぜてみよう!:システムバイオロジー

【参考サイト】

(1)社団法人 日本生体医工学会

(2)大阪工業大学 医工学研究センター

(3)東北大学 REDEEM プロジェクト

(4)大阪大学 臨床医工学融合研究教育センター

(5)東北大学 大学院情報科学研究科 中尾研究室 (バイオモデリング論分野)

(6)ウィキペディア(Wikipedia):還元主義

(7)教授 児玉 龍彦 | 東京大学 先端科学技術研究センター


IUPS2009 poster 国際生理学会が京都で開催されます

新入生や新入社員への 「すぐできる2つのアドバイス」



 ゴールデンウィークがあっという間に終わってしまいましたね。研究室ではトレーニングも終わり、(会社では研修が終わった頃でしょうか?)研究室内の配属も決まり、新入生もそれぞれが新しい実験を教えてもらい始めています。今回は、新人の方々(大学・会社を問わず)へのアドバイスについてまとめられている、水口 和彦 さんのサイトをご紹介します。自分でも、4回生の頃には、必ずしもキッチリできていなかったことです。しかし、これからの学ぶ姿勢として自分自身も心に留めておかなければならないことだと思います。

 水口 和彦 さんは、「時間を活用する」ための考え方やスキルを専門とするコンサルタントをお仕事とされているそうです。日本では、まだまだ時間を活用する講師は少ないそうです。つまり、”時間活用”の重要性が社会に広まりきっていないということでしょうね。今回引用する記事以外にも、参考になる記事がたくさんありますですので、時間のある時にでも、ご覧下さい。きっと日常に役立ちますよ。

■ 新入社員になる方へのアドバイス

しかし、それ以前のこととして、私は次の2つが重要だと思っています。


1つは、「わからないこと、自信のないことは質問する」 ことです。

自信のない中途半端な理解で進めると、あとで悔やむのは自分です。「質問魔」になるくらいのつもりで、しつこく質問したほうがいいと思います。


もう1つは、「人の話を聞くときにはメモを取る」 ことです。

新しい環境に入ると、次から次へ、自分にとって新鮮な情報が入ってきます。そのなかでは「おぼえたつもり」のことも、簡単に忘れてしまうことがあります。

先ほど「質問魔」になったほうがいいと言いましたが、同じ質問を何度もするようでは、周りの迷惑になりますし、仕事力もなかなかつきません。とにかく、何でもメモを取るくらいのつもりでいたほうが、いい結果を生むのは間違いありません。

この2つは簡単にできますし、間違いなく効果がありますよ。

時間管理術研究所:新入社員への 「すぐできる2つのアドバイス」

1.「わからないこと、自信のないことは質問する」

 「わからないことはとにかく質問」には、一石二鳥というか、三鳥か四鳥くらいあると私は考えています。まず第一に、耳学問として知識を吸収できる点です。既に分かっていることは、考えるより、聞くべきだと思っているからです。第二に、効率がいいという点です。よく言われる「聞いたほうが早い」ということです。研究者としては、自分で調べ、考えるのももちろん大切です。しかし、情報量が増え続けている以上、ある程度は効率的に仕事をこなす必要があることを認識すべきだと思っているからです。第三に、教える側も、再教育されるという点です。教える側は、昔々に先輩から教わり、自分で調べたこと、経験したことを濃縮して後輩に伝えようとしています。このような経験知に、新たに”新鮮な”視点での質問が加わることで、さらに、教育側の知識も広がっていくと思っているからです。自分が理解できていなかったところを再認識することもあります。第四に、教えている相手の吸収しきれなかった部分が把握できる点です。これは、教える側に問題がある場合(教え方がまずいなど)は、フィードバックがかかり、教育法が改善されるはずだと思っているからです。

 さらに個人的に実感する、質問のおまけの効用をお話ししましょう。それは、私が説明した内容について、質問する人には(的確であればあるほど)好印象を持つということです。これは、説明したことをちゃんと理解してくれている(右から左に抜けているのではない)ことが分かるため、情報伝達の達成感と通じたという安心感が得られるからだと思います。また、自分の言うことを聞いてくれたという人間としての根源的な心理的欲求を満たしてくれているという側面もあるのかもしれません。

 最後に、注意点としては、以前紹介した『Geekなページ:学生のうちにしておくべきこと』で言及されているように、「教えて君」になってしまうのはいけないで す。そうならないためには、自らも情報を集め、それらを他者に発信していくことが大切だと思います。情報を発信することで、逆に得るものも多くあります。 それについては、勝間 和代 さんの著書『効率が10倍アップする新・知的生産術の第6章ー技術1 情報をGive & Give & Give & Give & Giveする』に詳しい説明があります。

2.「人の話を聞くときにはメモを取る」

 どの程度メモを取るかは、個人の記憶力の強弱に依存します。ただ、教える側としては、「それ前にも言いましたよね!?」ということが何度もあるとストレスになることは事実ですので、極力メモは取るべきなのだと思います。ちなみに、私自身が教える側で、このような局面に遭遇した場合は、「メモを書いて渡す・図解する」など、教え方を工夫しています。

 また、質問と同様に、メモを取る行動自体にも、教える側を安心させる側面もありますね。

【関連記事】

(1)まずは 溶かして 混ぜてみよう!:学生のうちにしておくべきこと


【参考サイト】

(1)時間管理術研究所:新入社員への 「すぐできる2つのアドバイス」

(2)Geekなページ:学生のうちにしておくべきこと


【参考書籍】

効率が10倍アップする新・知的生産術—自分をグーグル化する方法

勝間 和代

2008年5月6日火曜日

メタ検索エンジン

 先日は、翻訳サイトの一括検索サイトをご紹介しました。今回は、普通の検索エンジンをまとめて検索してくれるメタサーチサイトを2つご紹介します。これで、「Googleでは見つかるけど、Yahooでは引っかからないサイト」なども見つけ出すことができます。日常的な検索に大活躍です。

 メタ検索エンジンについては、ウィキペディアを引用しておきます。

 メタ検索エンジン(メタけんさくエンジン)は、入力されたキーワードを複数の検索エンジンに送信し、得られた結果を表示するタイプの検索エンジン。メタサーチエンジン、横断検索エンジンとも呼ぶ。

ウィキペディア(Wikipedia) メタ検索エンジン



1.最速一括検索エンジン(メタサーチ)


2.Metcha Search メッチャ検索エンジン


【関連記事】

(1)まずは 溶かして 混ぜてみよう!:横断検索サイト

第47回生体医工学会大会が開催されます


 GW明けに、生体医工学会大会があり、初めて出席してきます。GCOEに関連している演題と、私が注目している演題を挙げておきます。開催概要は、後日レポートします。

5月8日(木) 9:00-11:30  A会場

シンポジウム1「医工連携における人材育成」
座長:田中 正夫,山口 隆美

1.橋本 成広 医工学系学部における教育
2.山口 隆美 医工連携における人材教育?医療工学技術者創成のための再教育(REDEEM)5年間の経験を通じて考える
3.倉智 嘉久 大阪大学臨床医工学融合研究教育センターにおける研究科連携による人材育成
4.佐々木 和男  生体医工学サマースクール活動報告


5月8日(木) 14:00-16:30  A会場

シンポジウム3「分子イメージングの現状と展望」
座長:藤林 靖久,小林 久隆

1.藤林 靖久 分子イメージングの概要
2.清水 公治 分子イメージングのための機器開発
3.佐治 英郎 分子プローブの開発
4.飯田 秀博 PET・SPECT機器・解析技術の展望
5.渡辺 恭良 分子イメージング研究による創薬プロセスの革新


5月8日(木) 14:00-15:40  C会場

オーガナイズドセッション4「複雑ネットワーク理論のバイオへの展開」
オーガナイザー:杉町 勝,宍戸 稔聡
座長:宍戸 稔聡,日高 一郎

1.杉町 勝 複雑ネットワーク理論は複雑な生物系の解明に必須である
2.増田 直紀 複雑ネットワーク理論 (総論)
3.手老 篤史 真正粘菌変形体に学ぶ生物ネットワーク理論
4.林田 守広 タンパク質ドメインネットワーク
5.田中 玲子 スケールリッチな代謝ネットワーク


5月9日(金) 14:00-17:00  A会場

シンポジウム5 「フィジオーム・システムバイオロジーの基盤と展開」
座長:梶谷 文彦,野村 泰伸

1.倉智 嘉久 薬物誘発心臓不整脈発生予測の多階層シミュレーション
2.中尾 光之 階層的生体システムのモデリングについて
3.和田 成生 細胞の力学モデル
4.野村 泰伸 グローバルCOE予測医学プロジェクトにおけるフィジオームプラットフォーム

【参考サイト】

(1)日本生体医工学会:第47回生体医工学会大会トップページ

【バックリンク】

● 第47回生体医工学会大会に出席しました

学ぶ心

 PHP新書のしおりに載っている、松下電器の創業者である松下 幸之助 さんの言葉をご紹介します。

学ぶ心

学ぶ心さえあれば、万物すべてこれわが師である。
語らぬ石、流れる雲、つまりはこの広い宇宙、
この人間の長い歴史、
どんなに小さいことにでも、
どんなに古いことにでも、
宇宙の摂理、自然の理法がひそやかに
脈づいているのである。
そしてまた、人間の尊い知恵と体験が
にじんでいるのである。これらのすべてに学びたい。

PHP新書 栞

 経営者としてだけでなく、優れたエンジニアとしても慕われている松下さんの考えが表れている言葉ですね。サイエンスを学ぶ人々の心にも深くしみ込む気がします。

 数年前に、この言葉を知って、もっと松下さんの言葉を知りたいと思って、書店を探していたら、『道をひらく』を見つけました。この本の中には、栞のもとになった全文が記されていました。そこからさらに、引用します。

 教わらずして、学ばずして、人は何一つ考えられるものではない。幼児は親から、生徒は先生から、後輩は先輩から。そうした今までの数多くの学びの上に立ってこその自分の考えなのである。自分の知恵なのである。だから、よき考え、よき知恵を生み出す人は、同時にまた必ずよき学びの人であるといえよう。

道をひらく 松下 幸之助

 学生の皆さんだけでなく、私のように教える側になった者にとっても忘れてはいけない学びの心だとおもいました。ちなみに、『道をひらく』は1968以来、450万部の大ベストセラーになっているようです。


道をひらく

松下 幸之助
 
【参考サイト】

(1)松下電器産業株式会社:創業者 松下幸之助

(2)ウィキペディア(Wikipedia):松下幸之助

(3)Tech総研:日本のエンジニアが選ぶ”本物のエンジニア”23人

2008年5月5日月曜日

バーベキューをしました

毎年これくらいの時期に、研究室でバーベキューが開催されます。

今年も、この春の卒業生が遊びにきてくれました。

社会人として、まだ一ヶ月しかたっていませんが、それでも学生の頃とは違う雰囲気を感じました。

ビジネスマナーを叩き込まれる研修は、楽しいとのことでした。

研修がない大学人としては、とても羨ましいです。

会社は、合理的な人が多くムダがないとのことでした。仕事のスピードも速そうです。
(*大学も速い人はとても仕事が速いです。)

是非、企業の強みを活かして、研究室で学んだことをベースに、社会にどんどん還元して頂きたいですね。

元気に仕事を楽しむ卒業生を見て、在校生も数年後にはどんな立派な社会人になっているんだろうと考えた一日でした。

2008年5月4日日曜日

プレゼンテーションをするために注意したいこと

 先日ご紹介した、東北大の大隅先生の研究者のためのプレゼン本『バイオ研究で絶対役立つプレゼンテーションの基本』が売れているようです。


お陰様で拙著の『プレゼン本』(羊土社)がめでたく3刷りとなる模様です。

PPTファイルの上手な作り方というよりも、「ヴィジュアルで分かりやすいプレゼン」のための原理原則が書かれています。
同じ素材でも、どうやったら美味しく食べさせられるか、ということですね

 ラボミーティングから学会発表まで対応した内容について、基本的なことから、分かりやすく説明されています。オススメ本です。




バイオ研究で絶対役立つプレゼンテーションの基本

大隅 典子



 また、もう一冊オススメ本を紹介します。植村 研一 先生の『医学・生物学研究者のためのうまい研究発表のコツ』です。この本は、論文図表と講演スライドの作成上の注意点について比較しながら詳しく説明されています。さらに、研究論文の書き方についてもポイントをまとめて説明されていて、大変参考になります。(すこし辛口気味ではありますが。)


医学・生物学研究者のためのうまい研究発表のコツ

植村 研一






 最後に、『Ko's Style:プレゼンの達人になるための情報まとめ』を紹介しておきましょう。このブログには、プレゼン方法のコツを説明しているサイトがまとめられています。特に、Apple社のJobs氏のプレゼンは、とても参考になるので、是非見てみてください。

【関連記事】

(1)まずは 溶かして 混ぜてみよう!:デキる大学院生になろう!

(2)まずは 溶かして 混ぜてみよう!:理系のための口頭発表術

【参考サイト】

(1)大隅典子の仙台通信:GW後半初日は良いお天気

(2)Ko's Style:プレゼンの達人になるための情報まとめ

2008年5月3日土曜日

学生のうちにしておくべきこと

 学部生・大学院生の時にしか、できないことは沢山ありました。そんなことを考えていたら、『Geekなページ』のエントリに学生のうちにしておくべきことがまとめられていたので、引用しながらコメントします。

1. 大失敗
2. 恥ずかしいおもいをする
3. 質問をする
4. 怒られる
5. 力いっぱい遊ぶ
6. 話が通じない人と関わる
7. いろいろなところでアルバイト
8. プログラミング
9. 運動

1.大失敗

 「失敗は成功のもと」と言われるくらいです。うまくいかなくても、うまくいかなかったことを知ることができたという意味で、ムダではなかったと心がけるようにしています。(もともとは、エジソンの言葉だったような)

3.質問をする

 耳学問は意外と効率的です。ただし、研究者(の卵)として、自力で解決を試みる姿勢は必要ですね。また、どう質問していいか分からない時は、『どう質問したらいいのかという時に』にまとめた記事をご覧下さい。

6.話が通じない人と関わる

 研究室にいると、人的環境が閉鎖的になります。異なる価値観を受け入れるマインドをつくるためにも、他学部の友達や知り合いは大切にしたいですね。

7. いろいろなところでアルバイト

 私自身の経験から、忙しい飲食店で働くと、時間感覚と平行処理感覚が非常に磨かれるので、オススメです。これは私自身の経験ではありませんが、家庭教師は人に教える力が、塾講師はプレゼン能力がつくようです。対人関係が得意になるアルバイトもありますね。全く独りで研究をしていくわけではないので、周囲との調和も必要になりますから。

【関連記事】

(1)まずは 溶かして 混ぜてみよう!:どう質問したらいいのかという時に

【参考サイト】

(1)Geekなページ:学生のうちにしておくべきこと

【バックリンク】

● 新入生や新入社員への 「すぐできる2つのアドバイス」
● Life Sciences Career Day in IPRに参加しました

パソコンの捨てかた


使わなくなった、PCの廃棄法に関するサイトです。

【参考サイト】

(1)日経パソコンon line:パソコンの捨てかた(1)どうすればいい?古くなったパソコン

(2)日経パソコンon line:パソコンの捨てかた(2)パソコンを売るには?

キャリア・アドバイス

 先日、研究環境に関するヒアリングがあり、博士のキャリアについて様々な事例を教えていただきました。また、私自身にとっても、今後の進路を考える良い機会になりました。また、最近『ポスドク問題』についても、本ブログで取り上げました。というわけで、ハーバード大の島岡 要 先生のブログ『ハーバード大学医学部留学・独立日記』に掲載されているキャリアアドバイスを紹介することにしました。

 ダニエル・ピンクは、アルゴアの元スピーチライターで作家だそうです。最新刊の漫画風のビジネス書「The Adventures of Johnny Bunko: The Last Career Guide You'll Ever Need」からの6つのキャリア・アドバイスを説明してくれています。

ダニエル・ピンクの提唱する6つのキャリア・アドバイスは:

1)There is no plan.(キャリア・パスはふりかえって初めて見えるーSteve JobsのConnecting dotsー)

2)Think strengths, not weaknesses.(弱点の克服ではなく、強みに投資せよ)

3)It's not about you.(他人をハッピーにして、自分もハッピーになる)

4)Persistence trumps talent.(才能は継続してはじめていかされる)

5)Make excellent mistakes.(恐れるべくは失敗ではなく、失敗することを恐れること)

6)Leave an imprint.(仕事で意味あることを成す)

 得意なことを職業とすべきということが、最近、よく分かるようになりました。得意なことは、さらに上手くなることがあっても、不得意になることはありませんね。好きなものは、嫌いになるかもしれませんが。詳細は、以前紹介した『まずは 溶かして 混ぜてみよう!:ポスドク問題』を見てください。

【関連記事】

まずは 溶かして 混ぜてみよう!:ポスドク問題

【関連サイト】

(1)ハーバード大学医学部留学・独立日記:ダニエル・ピンクの提唱する6つのキャリア・アドバイス

(2)ハーバード大学医学部留学・独立日記:好きなことを仕事にすべきか (revisit)

【バックリンク】

● Life Sciences Career Day in IPRに参加しました

2008年5月1日木曜日

横断検索サイト

 翻訳に便利な、横断検索サイトをご紹介します。

◆ Cross Translation

◆ 10の翻訳エンジンから一括翻訳 翻訳くらべ

◆ Google翻訳


Cross Translation

10の翻訳エンジンから一括翻訳 翻訳くらべ
Google翻訳


【バックリンク】

● メタ検索エンジン