2008年9月30日火曜日

【ひとこと】八面玲瓏(はちめんれいろう)

八面玲瓏(はちめんれいろう)

心を穏やかに保ちながら、生きたいですね。

2008年9月28日日曜日

独学は人生を変える

 独学を続けていると、人生が変わる。
 知識が増え、それにつれて考え方や視点が幅広くなっていくからである。
考え方が変わるのだから、価値観や行いも変わる。其の行ないは当然ながら他人の目に映り、そこから人間関係も変わっていくことになる。すなわち、人生が変わる。
 また、独学しているうちに、自分に強い影響を及ぼす書物に出会うことにもなる。そういう本は生涯で数冊程度だが、人生の友となるものである。このような本を持つことは確かに大きな幸せの一つであるはずだ。

白取 春彦 勉学術

本を読む人が最近減ってきているそうです。

私も、もともと本を読むのは好きではありませんでした。

でも最近、たくさん本を読むようになりました。

ネットやテレビでは得られないものが、
読書にはあると思えるようになりました。


【参考サイト】

* Business Media 誠:30代以上で“読書離れ”の兆し——その理由は?

【参考書籍】

■ 白取 春彦 勉学術 2006

2008年9月26日金曜日

経験と既知の事実からの推測を疑う

 科学者たちは、電波は直進し、地球は球体であるという事実に基づき、理にかなった結論を出した、その事実だけで十分だと思い込んでいたからだ、しかし、十分ではなかった。そこにはさらに、方程式を覆す未知の事実があったのだ。

ポール・スローン

イタリア人技師のグリエルモ・マルコーニは、電波が大西洋を越えることが発見したそうです。

当時は、電波を水平に飛ばせば、そのまま地球の接線上を直線的に進むと考えられていたので、専門家はみな、マルコーニの実験を嘲笑したそうです。

しかし、マルコーニの実験は成功したそうです。

地球の周囲には、電離層と呼ばれる電波を反射する大気の層が存在するからでした。


「前提」や「先入観」は、時として新しい発見や発明を妨げるといういい例ですね。


【参考書籍】

■ ポール・スローン イノベーション・シンキング 2007


【関連記事】

● 【研究本】99・9%は仮説
世の中の説明に絶対はないということも忘れてはいけませんね。

2008年9月25日木曜日

【研究本】ポイントで学ぶ科学英語論文の書き方


ポイントで学ぶ科学英語論文の書き方

小野 義正

出版年:2001


最近新たにもう一冊出版されています。

ポイントで学ぶ 科学英語の効果的な書き方

小野 義正

出版年:2008

2008年9月24日水曜日

よりよく働くために心がけるべき10のポイント

■よりよく働くために心がけるべき10のポイント 

  1. 一度に一つのことをやる
  2. 問題が何かを理解する
  3. 人の話を聞けるようになる
  4. 質問できるようになる
  5. ナンセンスとセンスを区別する
  6. 変化は避けられないものだと受け入れる
  7. ミスを認める
  8. シンプルに話をする
  9. 落ち着く
  10. 笑顔で

『ライフハッカー日本版』の記事より、スイス人アーティストのピーター・フィスクリさんとデイビッド・ウェイスさんによる仕事における10のヒントです。

 ・ナンセンスとセンスを区別する
 
 ・シンプルに話をする

 ・落ち着く

が参考になりました。みなさんはいかがでしょうか?

How to work better.

1 Do one thing at a time
2 Know the problem
3 Learn to listen
4 Learn to ask question
5 Distinguish sense from nonsense
6 Accept change as inevitable
7 Admit mistakes
8 Say it simple
9 Be calm
10 Smile


【参考サイト】

* ライフハッカー日本版:よりよく働くために心がけるべき10のポイント

2008年9月23日火曜日

【ひとこと】最高の説明の方法

最高の説明の方法は、それをやってみること

ドードー


【参考書籍】

■  ルイス・キャロル,脇 明子 不思議の国のアリス 2000

2008年9月21日日曜日

コメント力の大切さ


特に上司の場合、部下にどのようなコメントをするかということ自体が、上司の能力として問われている。「コメント力」で給料をもらうと言っても過言ではないだろう。ところが現状はコーチングの講習を受けなければいけないほどに、上司はコメントに対して無自覚的である。部下をただけなしてしまったり、現状分析はするが、改善する方向に行かないようなコメントをしている。それは自分がコメントしているのだという自覚が足りないところから来ている。

コメント力 斎藤 孝


仕事を建設的に進めるためにも、自覚しなければいけませんね。

建設的な関係を築くための7つのルール

1. 相手をあるがままに受け入れましょう

2. 相手をほめ、感謝の気持ちをくり返し伝えるようにしましょう

3. 誠実なコミュニケーションを心がけましょう

4. 互いの立場や意見の違いを認めましょう

5. 相手がめざす目標を応援しましょう

6. 相手にも間違いをおかす権利があることを認めましょう

7. かなえられない願望を目標としてとらえなおしましょう

これは、説明不要でしょう。部下のやる気を引き出す前には、リーダーと部下の間に建設的関係が構築されているのが前提条件になります。

モチベーションは楽しさ創造から



【関連書籍】

■ 斎藤 孝 コメント力 2004

【関連サイト】

* モチベーションは楽しさ創造から:部下のやる気を育てる為に、リーダーが知っておくべき名言

2008年9月20日土曜日

日本企業を研修機関と割り切る中国人

 「日本企業は中国人に人気がない」という話を知っていますか。特に中国人を中心にアジア人の転職先では、日本企業は人気がありません。事実、日本の企業 に入社した中国人ビジネスパーソンの多くは、数年後に欧米企業へ転職してしまいます。「日本企業は充実した研修をさせてもらえるところ。出世を考えるなら 欧米企業」と考える人が多いのです。

中国人の方は優秀な方が多いと聞きます。また、モチベーションの高い研究者はアメリカのラボを目指す傾向にあるとも聞いたことがあります。

モチベーションのもとは何であれ、高いモチベーションを保つことができる人こそ強いと思います。


【参考サイト】

* NBonline|【12】日本企業を研修機関と割り切る中国人

2008年9月19日金曜日

会議をしない会社

水口和彦さんのブログから『会議をしない会社』についての記事を紹介します。


話し合いの時間設定に集中力を考慮している点が合理的ですね。


【参考サイト】

* 時間管理術研究所:「会議をしない会社」 が存在する理由

【関連記事】

● 議事録の書き方
● 【ひとこと】日本人は会議が非常に下手である

2008年9月18日木曜日

【研究本】したたかな生命


したたかな生命

北野 宏明,竹内 薫

2007


《目次》

プロローグ アキレスの踵
第1章 したたかに生きる強さの条件-ロバストネスとはなにか
第2章 強くなればなるほど弱点が生じる-ロバストネス・トレードオフインターミッション ロバストネス・トレードオフと組織
第3章 ロバスト・システムとしての癌-癌をシステムで考える
第4章 遺伝と共生をつなぐ進化のシステム-ロバストネスによる新進化論
エピローグ 宇宙の中の共生

【関連記事】

● in silico medicine 第5回 定例シンポジウムに参加しました
北野 宏明先生の講演の内容の多くが本書に書かれていました。

2008年9月17日水曜日

【本棚】

本ブログでご紹介した【本棚】をまとめておきます。

 1.【本棚】最近購入した本
 2.【本棚】アポトーシスとシグナル伝達
 3.【本棚】薬物代謝学と生物薬剤学
 4.【本棚】P450とバイオデータベース
 5.【本棚】統計学

 6.
 7.
 8.
 9.
10.

11.
12.
13.
14.
15.

.....

2008年9月16日火曜日

【ひとこと】勉強と仕事と趣味と遊び

「勉強と仕事は要領よく効率的に。趣味や遊びは一生懸命がむしゃらに」、こんなキャラクターが世界基準になっていい時代ではないでしょうか。

本田直之

仕事や勉強だけに偏らないように注意したいですね。


【参考書籍】

■ レバレッジ勉強法 仕事に役立ち、継続的なリターンを得る 本田直之 2007

【関連記事】

● 【ひとこと】大統領のように働き、王様のように遊ぶ
● 【ひとこと】パーキンソンの膨張する仕事の法則

2008年9月15日月曜日

【研究本】

本ブログでご紹介した【研究本】をまとめておきます。

 1.【研究本】99・9%は仮説
 2.【研究本】大学院生のためのアタマの使い方
 3.【研究本】図で考えれば文章がうまくなる
 4.【研究本】グリンネルの研究成功マニュアル
 5.【研究本】生物と無生物のあいだ

 6.【研究本】創造的論文の書き方
 7.【研究本】会議の技法
 8.【研究本】理系のための人生設計ガイド
 9.【研究本】ビジネスメール ものの言い方「文例」辞典
10.【研究本】ドクター・中松の発明ノート

11.【研究本】論文捏造
12.【研究本】新しい薬をどう創るか
13.【研究本】不確実性のマネジメント
14.【研究本】創造的技術者のための研究企画
15.【研究本】技術者・研究者になるために

16.【研究本】新薬誕生—100万分の1に挑む科学者たち
17.【研究本】理系のための楽しい研究生活
18.【研究本】したたかな生命
19.【研究本】ポイントで学ぶ科学英語論文の書き方
20.【研究本】国際会議・スピーチ・研究発表の英語表現

21.【研究本】システムの科学
22.【研究本】勉学術
23.【研究本】論理的な文章が自動的に書ける!
24.
25.

2008年9月14日日曜日

【ひとこと】

本ブログでご紹介した【ひとこと】をまとめておきます。

 1.【ひとこと】出藍の誉れ
 2.【ひとこと】水清ければ魚棲まず
 3.【ひとこと】慌てる蟹は穴に入れぬ
 4.【ひとこと】丸い卵も切りようで四角
 5.【ひとこと】大統領のように働き、王様のように遊ぶ

 6.【ひとこと】建築は本のように、読み取れる人だけが本当にわかる
 7.【ひとこと】パーキンソンの膨張する仕事の法則
 8.【ひとこと】先入観がアイディアを封じ込めてしまう
 9.【ひとこと】人の行く裏に道あり花の山
10.【ひとこと】手を動かすこと

11.【ひとこと】「意見」を言う人から、「アイデア」は出てこない
12.【ひとこと】選難楽
13.【ひとこと】人を動かす唯一の方法
14.【ひとこと】喜びの歌
15.【ひとこと】人が何かをやりたいとき、時間がそれを拒絶することはない。

16.【ひとこと】プロフェッショナルへの道は、「働く意味」と「仕事の報酬」を知ることから始まる。
17.【ひとこと】やるほど仕事は味が出る
18.【ひとこと】日本人は会議が非常に下手である
19.【ひとこと】勉強と仕事と趣味と遊び
20.【ひとこと】最高の説明の方法

21.【ひとこと】八面玲瓏(はちめんれいろう)
22.【ひとこと】非真面目を、不常識にやれ!
23.【ひとこと】習慣は自然の如し
24.【ひとこと】成功への最短コースを取捨選択していくこと
25.【ひとこと】平気、平気。混乱しているけれど、大丈夫

2008年9月13日土曜日

就職活動時期のずれ

 「時間の無駄」と思うことにそれほど違和感はないです。特に研究が面白くなっている時期に就職活動に時間をとられるのはかなり不満でしょう。「将来がか かっているんだ。不満もへったくれもない」という意見もあるでしょうが,学生である以上,学びの機会を邪魔することは本末転倒も甚だしいのではないかと感 じます。


さて、もうすぐ就職活動が始まる…わけではないんですね、今年は。なんでも今年は年明け前後に始まるのだとか。たぶん大学がわの強い要望なのでしょう。

就活に時間をとられて勉学に気が入らない、という主張です。わからんでもないですが、時期をずらしたところで期間そのものに大きな差は生まれないでしょうね。


就職活動の時期が少しずれたそうですね。製薬業界だけなのでしょうか?


ktatchyさんのおっしゃるように研究の途中で集中できないという学生さんのためにも、就職活動の時期は、最終学年度の後半にしたほうが知れませんね。採用したい人材像がはっきりしていれば、しているほど企業側もそれにマッチした人材をきっちり選べると思います。

内定が決まって、落ち着いて研究するか、消化試合になるか、学生さんそれぞれですね。その状況を観察していると、そのような戦術もまた人それぞれでいいと思います。

大切なのは、その結果どうなるかをモニタリングして、自分にフィードバックをかけることだと、私は考えています。この点では、ロバストなキャリア形成にシステムバイオロジーの概念が応用できると思います。(考え方がマニアックですかね?)


とにもかくにも、製薬業界を支える優秀な人材が集まることを期待しています。


【参考サイト】

* ある理系社会人の思考:就職活動の時期は教育終了後でも良い
* ある理系社会人の思考:パソコン不良、就活時期の遅れで何が変わるのか


【関連記事】

● 大学院入試と就職活動
● 【研究本】理系のための人生設計ガイド

● 魅力的な履歴書を書くための5つのコツ
● 面接に成功する3つのポイント
● 【研究本】ビジネスメール ものの言い方「文例」辞典

● 【ひとこと】プロフェッショナルへの道は、「働く意味」と「仕事の報酬」を知ることから始まる。

● 【ひとこと】人の行く裏に道あり花の山
● 【ひとこと】人が何かをやりたいとき、時間がそれを拒絶することはない。

● 【研究本】不確実性のマネジメント
● 【研究本】技術者・研究者になるために

2008年9月12日金曜日

【本棚】統計学






なるほど統計学とおどろきExcel統計処理 改訂第6版

山崎信也

2008


学生の頃から、検定にはこれを使っています。ファイルを開けばすぐに使えるという便利さが良いですね。









バイオサイエンスの統計学

市原 清志

1990

古い本ですが、視覚的に解説されていて、分子生物学や細胞生物学の研究をしている自分にとってはとても参考になります。








Excelで学ぶ回帰分析—回帰分析をはじめて学ぶ人でもExcelを使えばきちんと理解できる

阿部 圭司

2004


最近、回帰分析をすることになったので、購入してみました。








エクセル統計—実用多変量解析編

柳井 久江

2005

クラスタリングした結果を樹形図で描こうと思い、購入しました。

2008年9月11日木曜日

【研究本】理系のための楽しい研究生活


理系のための楽しい研究生活

坪田 一男

2007


坪田 一男 先生の3つのフレームを紹介します。

Value: ごきげんに生きる!
Mission: 人の可能性を拓く!
Strategy: サイエンティフィックにアプローチする!

これまでにも2冊の本をご紹介してきましたが、とにかく坪田先生の本は面白いですね。読むと前向きになる文章が良いです。

「ゴキゲンに生きる」は "make it fun! "ですね。


《目次》

1996 とりあえず論文は10編書いてみる
1997 みんなのあこがれSusan S. Oak先生
1998 研究はフォーカスが大事
1999 僕たちのチームがめざすもの
2000 ごきげんに生きようという戦略
特別鼎談 楽しい研究生活。坪田一男×岡野栄之×児玉龍彦
2001 "LASIKのすべて"講習会報告
2002 涙点プラグのすべて講習会
2003 ムラト・ドール先生トルコより来日
2004 人気のないチェアマン職
2005 田野保雄教授のJackson Memorial Lecture


【関連記事】

● 【研究本】理系のための人生設計ガイド
● 【研究本】理系のための研究生活ガイド


【関連書籍】

● 坪田 一男 理系人間のための人生戦略―リフレーミングの発想 2000
● 坪田 一男 「朝」を変えれば人生が三倍楽しくなる 1998
● 坪田 一男 「ごきげん」だから、うまくいく! 2000
● 坪田 一男 “ごきげん”な自分になれる本 2000
● 坪田 一男 今日を“ごきげん”に生きる方法 1995
● 中谷 彰宏,坪田 一男 100歳まで元気に生きるために今できる43の方法 2001
● 坪田 一男 「もう一度学びたい人」の勉強ガイド―社会人のための大学合格戦略 1999

とってもたくさんの本を書かれているのですね。中谷 彰宏さんともご一緒に書かれているのを初めて知りました。(びっくり)

2008年9月10日水曜日

2万分の1:新規化合物が新薬になる確率

日本の主要製薬会社18社の過去の製薬開発を見てみると、

1つの薬を開発するのに9~17年、平均500億円がかかっているそうです。


2万種類の新たな化合物を合成しても、

臨床段階を通過するのが3種類

申請段階に到達するのが2種類

最終的に承認されるのが1種類

平均して2万分の1しかないと。

HILOKIさんのブログ記事を引用させて頂きました。
新薬開発はやはり難しいのですね。


【参考サイト】

生命の理解、そして「理解」の理解。:
 2万分の1:新規化合物が新薬になる確率


【関連記事】

● 【研究本】新薬誕生—100万分の1に挑む科学者たち

2008年9月9日火曜日

【ひとこと】日本人は会議が非常に下手である

 日本人は会議が非常に下手である。というのは、おそらく大きい利益があっても、その一つのところでも悪いことがあると、その悪いことだけに目をつけてみんなしてつついてしまう。ニワトリがそうだ。ニワトリという動物は、一羽がちょっと血が出ていると、よってたかってその傷のところをつついて、殺してしまう。

・・中略・・

そういうふうな、いわゆるニワトリ会議を開いてやせんかということだ。それで大局を忘れてしまって、末梢的なことだけに終わってしまう会議をしてやしないかということである。

本田 宗一郎 俺の考え

ニワトリを殺すような話し合いはしたくないですね。


【参考書籍】

■ 斎藤 岳 1回の会議・打ち合わせで必ず結論を出す技術 2008
■ 本田 宗一郎 俺の考え 1996

【関連記事】

● 議事録の書き方

2008年9月4日木曜日

【研究本】新薬誕生—100万分の1に挑む科学者たち


新薬誕生—100万分の1に挑む科学者たち

ロバート・L.シュック,小林 力

2008


治らない病気で苦しむ患者さんを日々診察していたあるお医者さんが、新しい治療薬が臨床で使われた時にこう感じたのだそうです。

「病気は薬で治るんだ!」

人の命を救う薬が一つでも多く誕生することを願います。


《目次》

第1章 エイズと闘う—ノービアとカレトラ
第2章 心の病から人生の再出発—セロクエル
第3章 本当に勝った人エインスリン—ヒューマログ
第4章 喘息のつらさを救った薬—アドエア
第5章 奇跡のバイオ医薬品—レミケード
第6章 癌治療の扉を開く—グリベック
第7章 世界一の薬はこうして生まれた—リピトール


【関連記事】

● 【研究本】不確実性のマネジメント

2008年9月3日水曜日

理研のシンポジウムに参加しました


公開シンポジウムと討論会
「細胞・発生研究への数理科学的アプローチ〜先端研究から探るアクションプラン」

1.概要

日時
9月2日(火) 10:00−18:50
9月3日(水)  9:00−17:00

場所
理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター
C棟1階オーディトリアム(定員140名、日本語、事前登録)

主催
独立行政法人理化学研究所

2.本シンポジウムのねらい

本シンポジウム(主催、理化学研究所)は、「細胞・組織スケール」でのライフサイエンス研究における次世代の研究の方向性を探る目的で、特に複雑な生命現象を多次元・多階層で理解するために不可欠な数理科学との融合に焦点を当てて行うものです。

分子生物学・細胞生物学などの研究進展により、この十年間でライフサイエンス分野の研究は大きく前進いたしました。ゲノム研究、幹細胞研究、脳科学研究など重点的に推進された研究からは、特に多くの新たな知見が次々と生み出され、まさに日進月歩の目覚ましい進歩を見て取ることができます。

こうした研究は生命現象の基礎となる要素(エレメント)に関しての大量の情報を生み出してきました。一方で、次のレベルの生命科学の発展には、如何にこれらの多数の要素がシステム化され、複雑な生命現象自体を引き起こすのか、という問いに挑むことが不可欠となってきています。こうしたなか、遺伝子そのものを扱うゲノムインフォーマティクスや、タンパクの分子レベルの挙動を研究するタンパク構造科学や分子動力学などは、いち早く数理科学・計算科学との融合を進めて来ています。

これに比して、細胞生物学や発生生物学などの「細胞・組織スケール」の研究では、これまで数理科学・計算科学との接点が比較的限られたテーマに留まる傾向がありました。
それは、

1. 分子動力学などと異なり、「基本方程式」が存在せず、model-based approachに加えて、data-drivenの考え方を併用する必要があること
2. 従来のゲノムインフォーマティクスと異なり、細胞・組織スケール研究の対象では、多数の要素について質的な取扱いがヘテロであり、また多階層にまたぐことが多い

を始めとするいくつかの本質的な問題点が存在したことにも起因します。

しかし、「細胞・組織スケール」は細胞生物学や発生生物学に限らず、多くの生物・医学研究(ガン、脳、免疫その他)にも共通した生命現象の基本単位を対象とする研究であり、また現在最も爆発的に研究が進展している生命スケールでもあります。

このシンポジウムでは、実験(ウェット)、理論(モデル)、計測・摂動の3つの観点から専門家の先生方にお集まりいただき、「細胞・組織スケール」を中心とした細胞・発生研究と数理研究の融合を目指した最前線の研究をご紹介していただきます。

また、理化学研究所では、次世代スーパーコンピューター(ペタコン)の設置を神戸市ポートアイランドに進めており、2012年度末に完成を予定しております(初期稼働は2011年度末)。これに伴い、生命科学分野での次世代計算機利用の戦略を積極的に計画しております。そうした取り組みや研究開発のご紹介を併せて行います。

「細胞・組織スケール」での数理科学とウェット研究の融合による強力な研究推進体制のあり方について、専門家の先生方と参加者による自由な討論セッションを2日目の午後に計画しております。生命現象の統合的な理解を進めるために解決する必要のある「ギャップ」を、多面的に討論し、次世代研究へのアクションプランにつなげることを期待しております。

幅広い専門性をもたれた研究開発者の皆様のご参加をお持ちしております。

プログラム(敬称略)

1日目 9月2日(火)

茅 幸二   開会のご挨拶
笹井 芳樹  Introduction

Session I  Data-driven approachを中心に

大浪 修一  初期胚の構造と形態のダイナミクスに対する定量的計算科学的アプローチ
澤井 哲   細胞と細胞集団の自己組織化
三浦 岳   発生における自発的パターン形成 : Toy model と定量

松本 健郎  細胞・発生研究へのバイオメカニクス的アプローチ
小椋 利彦  Epigenetic morphogen としての力学的、機械的刺激
竹内 昌治  マイクロ流路デバイスを利用した先端計測

Session II  Model-based approachを中心に

近藤 滋   Turing の先には何がある?
本多 久夫  形態形成研究のための3次元細胞モデル
安達 泰治  生体組織・細胞力学構造の機能的適応:システムバイオメカニクス

柴田 達夫  細胞スケールの自己組織化現象:イメージ・データ解析と数理モデル
森下 喜弘  形態形成過程を理解するために必要な理論とは?
      —脊椎動物の肢芽形成・伸張過程を例に—
望月 敦史  生物学的に有意義な理論を目指して


2日目 9月3日(水)

Session III  計測・摂動技術のcutting edge

上田 泰己  定量的な計測・摂動および設計による生命システムの理解
寺北 明久  ロドプシン類のシグナル伝達の多様性と生命システムの制御への応用の可能性
徳永 万喜洋 分子1個と細胞システム

斎藤 通紀  単一細胞マイクロアレイ法:応用、発展、課題
佐甲 靖志  細胞内反応の1分子測定
神崎 亮平  分析と統合による昆虫の適応能の理解と活用

Session VI  次世代計算機機構と生命科学分野への応用:理研の取り組みと研究例

姫野 龍太郎 次世代スーパーコンピュータ開発と生命科学でのグランドチャレンジ
横田 秀夫  シミュレーションのための細胞の数値化と情報処理に関する取り組み
姫野 龍太郎 組織モデリングへの挑戦 〜血管形状決定のメカニズムの解明に挑む〜

討論テーマ1 

討論テーマ2

アクションプランの総合討論


【感想】

まずはじめに、活発で自由な討論と建設的な提案をするようにとのアナウンスがありました。2日にわたる公開シンポジウム中は、ほんとうに活発な議論が交わされていました。

また、各発表の後には提言のコーナーが設けられ、今後の研究の方向性・連携体制・10年後を見据えた長期的目標・人材育成などについて個々の発表者の先生方がコメントされていました。

2日目にはそれらの提言に基づいたフリーディスカッション(オープンブレインストーミング)が展開され、多くの先生方から熱心なコメントが出されていました。事務局側のナビのもと発散した議論はだんだん収束し、提案された事柄はテキストとしてまとめあげられ、その様子がリアルタイムでプロジェクタに移し出されていました。

理研の行動力と決断力に基づいた発展性が垣間見えました。

  ・30年先までを見据えた研究目標の設定
  ・ウェットとドライ、実験と理論、データと数理モデルをいかに結びつけるか
  ・多領域横断型研究推進の仕組み作り
  ・具体的な技術開発の提案(スパコンの利用も含め)
  ・人材育成

などについて非常に充実した討論が繰り広げられました。私の所属部局もうまく連携できると大きな研究の輪になるな、なんて思いながらメモをとりました。(議事録マインドマップです↓)



【関連サイト】

* 公開シンポジウムと討論会|理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)
* 次世代スーパーコンピュータのシステム構成を決定|独立行政法人 理化学研究所プレスリリース
* 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)

2008年9月2日火曜日

【ひとこと】やるほど仕事は味が出る

やるほど仕事は味が出る


さあ、今日も楽しみましょう。

月曜日は1週間の始まりです。

気分も新たに楽しみましょう。

同じ仕事でも楽しめる人とそうでない人では結果が違います。

だから、楽しくやりましょう。

『シゴタノ!』ですね。


【参考サイト】

* 朝4時起きの税理士 見田村元宣の「あなたと一緒に成幸宣言!!」:今日の格言
* シゴタノ! - 仕事を楽しくする研究日誌