2008年10月8日水曜日

第6回関西地域部会・バイオメディカル研究会に参加しました

バイオメディカル研究会に参加してきました。

会場には多くの先生方が参加されていました。


神戸大学の原 拓志 先生は、経済学的観点からのバイオインフォマティクスの社会貢献についてお話しされていました。

製薬企業における、創薬過程でのイノベーションには、「化合物」「組織権威」「市場」「適用領域」の兼ね合いに加えて「分子生物学的な理解」が重要であると説明されていました。分子生物学的に得られた大量な情報は、バイオインフォマティクスにより統合されることによって、創薬のイノベーションに繋がるのだそうです。また、人材育成に関しては横断的なサイエンスの推進を強調されていました。

IT企業の低迷傾向に対する解決策はあるかという質問に対しては、出口を考えた研究開発が必要であるとコメントされていました。

慶応大の内藤 泰宏 先生は、多細胞のシステムバイオロジーについてお話しされていました。

生体の多階層レベルのうち、分子生物学により分子レベルから細胞レベルまでの理解が飛躍的に進んでいることに着目し、それらの情報をもとに未だ理解が進んでいないレベルをシミュレーションするという試みを紹介されていました。

エーザイ株式会社コア・テクノロジー研究所の河合隆利さんは、質量分析計のデータの統合ソフトウェアの開発や多階層オミクス情報の解析法、バイオインフォマティクスを利用した情報交換コミュニケーション基盤についてお話しされていました。

網羅的な酵母のノックアウト株の作成は非常に興味深いものでした。このようなゲノミックアプローチでケミカルバイオロジーの展開が加速するのではないでしょうか?

【プログラム詳細】

日本バイオインフォマティクス学会関西地域部会
第6回バイオメディカル研究会 プログラム

■日時:  2008年10月8日(水) 13:00〜17:35 (懇親会 18:00〜19:30)
■場所:  大阪大学中之島センター
■主催:  日本バイオインフォマティクス学会
■共催:  特定非営利活動法人 バイオグリッドセンター関西
■後援:  独立行政法人医薬基盤研究所、大阪商工会議所、
特定非営利活動法人近畿バイオインダストリー振興会議、
財団法人千里国際情報事業団
■協賛:  シスメックス株式会社
■参加費: 無料、但し懇親会は有料(参加費5,000円)

  
■プログラム■
13:00-13:05 挨拶 坂田恒昭 (関西地域部会長:大阪大学サイバーメディアセンター 特任教授)
13:05-13:40 基調講演:原拓志 (神戸大学大学院経営学研究科 教授)
「バイオインフォマティクスが医薬品の研究開発に与えるインパクト(経営学的観点から)」
 
13:40-14:30 <システムバイオロジー関連講演>
総括:中島弘 (大阪府立成人病センター 特別研究員)
講演:内藤泰宏 (慶応義塾大学環境情報学部 准教授)
     「システムバイオロジーの近未来と社会・経済への貢献」
14:30-15:20 <医療情報関連講演>
総括:佐古田三郎 (大阪大学大学院医学系研究科神経内科学 教授)
講演:今井康彦 (ブリストル・マイヤーズ株式会社臨床薬理室長)
     「臨床試験におけるPGxバイオマーカーの活用」
15:20-15:40 休憩
15:40-16:30 <in silico 創薬関連講演>
総括:白井剛 (長浜バイオ大学バイオサイエンス学部 教授)
講演:河合隆利 (エーザイ株式会社コア・テクノロジー研究所 統轄課長)
     「オミクスとインフォマティクス」
16:30-17:20 <ケミカルバイオロジー関連講演>
総括:奥野恭史 (京都大学大学院薬学研究科統合薬学フロンティア教育センター 准教授)
講演:広川貴次 (産業技術総合研究所生命情報工学研究センター創薬分子設計チーム 研究チーム長)
     「ケミカルバイオロジープロジェクトにおけるインシリコ解析」
17:20-17:35 <バイオメディカル研究会三年間の総括>
講演:坂田恒昭 (関西地域部会長:大阪大学サイバーメディアセンター 特任教授)
 
引き続き-19:30 <懇親会:中之島センター9F交流サロンにて>


【関連サイト】

* 日本バイオインフォマティクス学会

* 神戸大学大学院経営学研究科|研究資源|スタッフ|教員紹介
原 拓志 先生のコメントも掲載されています。

* 生命情報工学研究センター[CBRC]|研究者の声<広川 貴次>

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