2008年7月9日水曜日

ラクオリア創薬株式会社設立

 ファイザー製薬から、新たな実力派ベンチャーが誕生したそうです。ラットさんのブログ『ラットは今日も、きみのために。』で知りました。いい薬がたくさん出来ることを祈ります。

ラクオリア創薬株式会社
ファイザー株式会社


旧ファイザー中央研究所、ファイザー社より独立
ラクオリア創薬株式会社としてスタート

・・中略・・

ラクオリア創薬の特徴と知的財産
(1)資産
多くのベンチャー企業が、初期の研究段階にあるごく限られた数の化合物、あるいは単一のターゲットや適応疾患を基盤としてスタートします。ラクオリアは、 疼痛疾患と消化管疾患の領域において、継続的な生産性をもたらす複数の化合物と多様なターゲットを有しており、それらの多くはブロックバスターとなりえる 製品を生み出す可能性を持っています。

またラクオリアは、旧ファイザー中央研究所時代に自ら開発した複数のプログラム「新薬の分子ターゲット(分子標的)」を保有しており、事業開始日から効率的な研究を行うことができます。

(2)IOCN(Integrated, Open Collaboration Network)ビジネスモデル
IOCNは、ラクオリアの根幹となるビジネスモデルで、社内外コラボレーションを最大限活用することにより、創薬イノベーションを促進する新しいプロセ ス・モデルといえます。IOCNは、大学やバイオベンチャー企業、公的研究機関、製薬会社と連携し、お互いに長期的な信頼関係に基づいてオープンな情報交 換やノウハウの開示、相互学習に近い共同研究、柔軟なコラボレーションを促進させるネットワークです。

新薬開発におけるコラボレーションや提携は、1対1の限られたコラボレーションや提携であったり、自社の知的財産を守ろうとする意識が強く働くために情報 の共有が阻害されたりして、多くの英知で優れた価値を生みだそうとする良い関係の構築には至っていないのが現状です。IOCNビジネスモデルでは、このモ デルを実現することで1社では実現することが難しい革新的な薬の開発や社会的価値の創造、そしてラクオリアの最終目標である人々の生活を豊かにすることが できるものと確信しています。

多くの企業は、新規にネットワークを作り上げなければなりません。ラクオリアは、過去数十年のファイザーで構築した多彩な国内外のネットワークを受け継いでおり、これはラクオリアの貴重な財産となっています。

(3)フラットな組織
組織は、極めて簡潔でマネジメントは一階層だけで構成されています。これは、社員間のオープンなコミュニケーションの促進、社風の強化、迅速な意思決定と行動、効率的な情報伝達、透明性と責任の明確化、これらすべてが競争優位につながっていきます。

(4)プロジェクト中心の組織
ラクオリアのオペレーションはプロジェクト単位で動くため、プロジェクト・リーダーが各部門長との相談の上、あらゆる専門の研究者や間接部門のスタッフを 活用することができます。リーダーは、研究開発、臨床開発、あるいはビジネス開発の各ゴールを達成するために、集まった社員をその責任においてリードしま す。リーダーにはプロジェクトを遂行するための権限と責任が付与されていますが、メンバー間の上司という立場ではなく、あくまでもプロジェクトを成功に導 く推進役です。

ラクオリアは、それぞれの仲間、ビジネスパートナーやステークホールダーの方々と「信頼」で結びついた関係を重視した企業活動を行います。

(5)トップクラスのプロフェッショナルな研究者集団
研究者たちは、多くの開発候補化合物を作り出してきた経験豊富な元ファイザー中央研究所の社員で、また、欧米研究所での研究経験、国内外学会発表経験や多くの論文発表など、優れた能力を有しています。

多くの新規企業は、企業立ち上げの際に優秀な人材の確保が困難であり、また生産性に影響する社風や文化の構築にその多くの時間と労力を割かなければなりま せん。ラクオリアでは、当初からトップクラスの人材が確保されており、その多くはファイザー以外の製薬会社での経験を持った研究者です。大手製薬企業のシ ステム、ノウハウ、さらには、ベンチャー企業のもつ柔軟性やスピードや情熱を、設立したその日から一体化できる集団です。

(6)最先端テクノロジーと充実した研究支援体制
ラクオリアは、設立時点から最先端の研究機器やテクノロジーを保有しており、ダイナミックな研究ができる環境です。

多くの新規企業は、その資金力の制約から研究のための十分な施設や研究設備の保有が困難ですが、ラクオリアには再購入価格で約43億円の最先端の機器類が使いやすい研究施設の中に整っています。

新規研究開発型企業の多くが保有することが困難なIT、人事、財務のインフラ機能に既に経験豊富な優秀な人材が配置されており、スタート時点からサイエンスに集中した効率的な研究活動が行える環境にあります。

日刊工業新聞 Business Line|ファイザー、旧ファイザー中央研究所が独立


【参考サイト】

* 日刊工業新聞 Business Line|ファイザー、旧ファイザー中央研究所が独立
* ラットは今日も、きみのために。:ファイザー:新薬研究開発のベンチャー企業設立

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

元研究員でした。400名近くいた研究員から70名が残りました。探索研究も続け、新薬開発候補品を年間2個を目標に出していくということですが、外向きには素晴らしいことを言っていますが、できる人たちのほとんどは外部に流出してしまったというのが現状です。
フラットな組織の要にいる人たちはそれほど研究をやっていない人で先行きは不透明としか言いようがありません。そんな人のリーダーシップで毎年2個の新薬開発候補品を出し続けるのは無理なストーリーです。
臨床開発に関しても、開発前期の経験しかない人が中心になっている現状を考えると非常に厳しいです。
ベンチャーも一種のマネーゲームですから、騙し合いの様相だと思います。オーシャンファームのエビの養殖事業にも数百億円の投資をするご時勢ですから100億円くらいどうってことないのかもしれませんね。

chample さんのコメント...

匿名さんへ

コメントして頂きありがとうございました。

貴重なご意見です。

「少数は精鋭化する」という言葉に期待したいと思いました。

これからもよろしくお願いします。

匿名 さんのコメント...

元同僚のがんばりを否定するは、さびしいですね。。。

匿名 さんのコメント...

元研究員です。経緯はどうあれ、バイオベンチャーと言う船を自分たちで作り出し創薬研究と言う荒波に漕ぎ出したことは大変素晴らしいことです。とかく安定を求めがちな昨今、波乱万丈とも思える道を選んだ皆さんに敬意を表したいと思います。私はもう別の会社の社員になってしまい、彼らをサポートすることは難しくなってしまいましたが彼らには是非とも成功してもらいたいです。

chample さんのコメント...

コメントありがとうございます。

『選難楽』と『ロバート フロストの詩』について考えながらコメントを読ませて頂きました。

きっと、大陸を見つけられる可能性があるからこそ誕生した船だと思っています。

大学や企業の別なく、日々苦しんでいる患者さんの病気を一つひとつなくしていけるようにするのが、共通の目標ですね。

私も期待しています。