2008年7月2日水曜日

バイオポスドクの受難

 ラットさんの、『ブームだったのに… 「バイオポスドク」に受難の季節(msn産経ニュース、コラム)』を読みました。

 企業側の、「ポスドクに対するイメージが悪い」のは、博士号取得者(「専門的すぎて、使いづらい」など)に対する以前の評価がスライドしただけだと思います。企業側が採用する数が少なく、また一部の博士取得者に対するネガティブなイメージが広まっているだけだと私は考えています。こうした企業が的確に博士取得者を判断できているのかは、疑問です。

 暗いニュースばかりでは、ありません。少し探せば、サイボウズ社の記事がありました。今後も、博士取得者の専門的知識を活かすことの出来る場を広げていってほしいと思います。それと同時に、博士取得者も活躍できるように努力すべきでしょうね。

 また、アステラス製薬の竹中 登一 さんは、採用した博士取得者を修士取得者と比較して分析されています。これらを参考にして、問題点を改善していくことにより、博士取得者の評判も上がっていくでしょう。

 実際、「企業のポスドクに対するイメージが、あまりにも悪いことに驚いた」と宮尾さん。調査では複数のベンチャー企業にアンケートを実施したが、「(ポスドクは)協調性がなさそう」「使いづらい」などというマイナスイメージが多数を占めたという。

 宮尾さんは「(国策としてポスドクを増やしながらも)企業側、ポスドク側双方がお互いを知る機会が少なく、そのこと自体が依然として問題視されていない ことが最大の問題」と指摘。「双方が接点を作る機会を官民が積極的に創出していかなければ何も変わらないだろう」と予測した。

ラットは今日も、きみのために。:ブームだったのに… 「バイオポスドク」に受難の季節(msn産経ニュース、コラム)


弊社では、高度な知的能力を活用できないままでいる技術者に活躍の場を提供し、モノづくりに携っていただくことでその能力を存分に発揮してもえることを期待し、本採用枠を新設しました。

研究の世界と企業の世界では、「情報処理技術の向上を追求する」点におきまして大きな違いはございません。しかし、企業の世界ではそこからさらに有用なシステムを設計・開発するという能力が問われます。サイボウズでは、それまでの研究で培ってきた技術やノウハウなどを製品開発に活かしていただき、それを実際の社会で活用してもらうことで、研究成果とまた違った喜びを感じていただけると確信しております。

CNET Japan | 『サイボウズ、人事採用枠に「ポスドク採用枠」を新設〜 高度に知的な技術者を積極的に採用し、更に品質の高い製品開発を目指す 〜』


入社時は、博士が修士より優れるが、入社数年後には、博士と修士との間に差がなくなる。

日本 博士は教授 下請け 特定領域 研究をし おり 専門性は高日本の博士は教授の下請けの特定領域の研究をしており、専門性は高 いが米国博士の様な関連領域を幅広く学んでいない。

竹中 登一 製薬企業からみた、博士号取得者への期待


【参考サイト】

* ラットは今日も、きみのために。:ブームだったのに… 「バイオポスドク」に受難の季節(msn産経ニュース、コラム)

* 平成19年10月18日 日本学術会議 基礎生物学委員会・応用生物学委員会合同 生物科学分科会 公開シンポジウム 「研究・教育者等のキャリアパスの育成と課題」
  竹中 登一 さん(アステラス製薬会長)や大隅 典子 先生 (東北大学大学院医学研究科教授)のスライドをご覧下さい。

* CNET Japan | 『サイボウズ、人事採用枠に「ポスドク採用枠」を新設〜 高度に知的な技術者を積極的に採用し、更に品質の高い製品開発を目指す 〜』


【関連記事】

● ポスドク問題
  当ブログで、過去に記事にしたポスドク問題です。博士はどう生きれば良いかについて書いています。

● 第4回キャリアサロン―PhDのためのジョブハント
  PhDの就活支援についての記事です。とても参考になるセミナーでした。

● 【研究本】大学院生のためのアタマの使い方
  優良院卒者になるためにすべきことが、書かれています。修士・博士・PDの方に強くお勧めする本です。

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