2008年3月22日土曜日

どう質問したらいいのかという時に

 「質問をするように」と言われてしまうことがたまにありますよね。基本的な質問は、どうしても気が引けてしまいますよね。また、後輩へも、「質問するように」と指導してしまいがちです。でも、「どう質問すべきか?」を伝えることが大切だと思います。したがって、今回はどう質問すべきかについて考えてみます。

 まず、質問の種類について考えてみます。飯久保 広嗣 さんが著書『質問力』で書かれているとおり、質問には、大きく分けて「なに?」と「なぜ?」の2つがあります。つまり、「なに」は知識を獲得するための質問で、極端に言えば質問と答えが対になっています。これに対して、「なぜ」は知性を働かせる質問で、質問に対する答えは何通りもあります。したがって、質問する本来の目的を達成するためには、この2つの質問を明確に使い分けることが肝要です。

 つぎに、質問する時の心構えについて、島岡 要 先生が『うまく質問するために覚えておくとよい10のポイント』にまとめられています。参考になりましたので、引用します。

1)マイクを使う
2)会場のざわめきがおさまるまで一時のポーズを
3)言い訳をしない
4)演者をファースト・ネームで呼ばない
5)しゃべりすぎない
6)短く簡潔に
7)2つ以上質問をしない
8)もし適切ならば、単なる質問だけでなく少しだけ何か自分のことを言いましょう
9)(シャウトではなく)声を張りましょう
10)質問することであなたが成長するということをお忘れなく。

ハーバード大学医学部留学・独立日記:うまく質問するために覚えておくとよい10のポイント

6)長い質問は、つまり、質問が濃縮されていないということでしょう。
(何がききたいのか分からない状態に近いのかもしれません)

7)は複数質問する時は、1つずつという意味です。

3)言い訳とは、たとえば「素人の質問で申し訳ないのですが...」
 → これは時間がもったいないからだと私は解釈しています。
(学会の質疑応答時間はタイトに設定されているため)

 ただし、島岡 先生がつづけて記されているとおり、無知を開き直るのはよくないでしょうね。
大事なことは「素人の質問で申し訳ないのですが...」的態度の根底に無知を恥じるかすかな気持ちを常に持つことではないでしょうか。

ハーバード大学医学部留学・独立日記:専門家根性

確かに、このような気持ちがない人の質問は、聴いているこちらが悲しくなりますね。

 また、私自身がいつも気をつけていることは、以下のことです。

予め、「何を聴ききたいか?」を決めて聴講する。

 学会などに出席した際に、聴講報告書を求められることがありますね。これは、アウトプットを前提としたインプットが心がけられます。ですから、形式的な 提出に終わらせるのではなく、文章トレーニングのひとつとして書くと良いと思います。事前に配られる要旨集はよく読み、講演内容を把握しておくことも、当日質問するためには大切な準備のひとつですね。
(でないと、時間の無駄ですので)

 最後に、質問に失敗しないための6つのコツをご紹介します。(つまり以下の項目の逆をすれば、質問上手になれると考えています

◆質問が下手な人に多く見られる傾向

1.気配りができない
2.自己中心的で、相手を考えない
3.質問に応じてくれることのありがたさに気づかない
4.謙虚さが足りない
5.情報が集まってこない
6.他者と、心のふれあう関係ができない

質問する技術が面白いほど身につく本 櫻井 弘 (著), 内山 辰美 (編集)

【参考書籍】


(1)質問の定義、質問を成り立たせる論理について詳しく解説されています

  • 書名:質問力—論理的に「考える」ためのトレーニング
  • 著者:飯久保 広嗣 (著)
  • 発売日:2003/02
  • 項数:238ページ
  • ISBN:9784532310332
  • Amazon.co.jpで詳しく見る

(2)質問する準備やポイントについてまとめられています

  • 書名:質問する技術が面白いほど身につく本 (知りたいことがすぐわかる)
  • 著者:櫻井 弘 (著), 内山 辰美 (編集)
  • 発売日:2003/7/1
  • 項数:159ページ
  • ISBN:9784806118336
  • Amazon.co.jpで詳しく見る

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【バックリンク】

● 学生のうちにしておくべきこと
● 何を質問したらいいのか?
● いい質問をするために気をつけるべきこと

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