今回は、HIROKI tanahashiさんのブログ『DESIGN IT! w/LOVE』を読んでいたら、これはサイエンスにもあてはまるのではないかと思いました。
デザイン作業を含む創造性の生態系のメカニズム
そうした意味においてデザインとはクリエイティブな作業です。それはデザインする側にクリエイティビティを求めると同時に、デザインされたものを使う側にもクリエイティビティを求めます。
最近、こんなことを思うのです。
- 人びとが意識/無意識的にもっている思想・哲学がモノの形を規定し、
- モノの形は人びとの行動に制約を与えるとともに、行動判断のリソースを提供し、
- 人びとの行動はその思想・哲学を形作る。
と。
サイエンスに置き換えて、考えてみるとこのようになるのではないでしょうか?
・科学者の思想・哲学が、論文・データベース・研究成果などを規定する。
・多くの研究者は、先行研究に基づいて自分の研究を進める。
・研究活動自体が、科学者の思想・哲学を反映したものとなる。
また、HIROKI tanahashiさんは、次のようにも述べられています。
中途半端なものづくりではこのプロセスに乗ることもなく、いくら作っても何も変わらず、同時に自分たち自身も生態系から押し出されて破滅に向かうことになる。そういう進化論的メカニズムがここに働いているという風に考えた方がいいのではないかと思っているんです。
「良い研究をすることが、大切だよ」という、私が尊敬する先生の言葉を思い出しました。
ものづくりの本質を夢想する
そんな生態系のメカニズムを踏まえたうえで、『ペルソナ作って、それからどうするの?』で紹介しているユー ザー中心デザインの方法というのは、創造的なデザインが決して一握りの優れた才能の持ち主だけに可能な特殊な能力なのではなく、意欲あるものなら誰でもそ の方法を知り訓練によって身につけることで可能になるような、とりあえず現時点ではもっとも優れた手法の1つであると思っています。
ものすごく単純な例で言うと、誰にでもできる実験手法や、直感的に使いやすいツールを開発することと似ていると思いました。
さらに、次のようにも述べられています。
昨日の「『ペルソナ作って、それからどうするの?』発売開始。TB&コメントはこちらへ」でも書いているのですが、僕は、
- デザインという作業は、問題発見から具体的な問題解決法の創造、そして、それを実現する方法を編み出す、総合的で創造的な思考・作業だと思いますし、
- また、それは決して一握りの優れた才能の持ち主だけのものではなく、「創造の方法」というものを知り、それを訓練によって身につけることで意欲あるものには可能なことだと思っています。
ただ、この方法というのは、誰もが学べ、意欲さえあれば身に着けられるものだとは思っていますが、その方法を使って導き出されるものが画一的−誰がやっても同じではないという意味では、エンジニアリング的な方法ではないと思っています。
科学と芸術は似ています、同じペンでも描かれる絵が異なるように、意欲を持って努力を続ければ、素晴らしい研究成果に出会えるのかもしれませんね。
【参考記事】
1.サイエンスについて知っておくべき3つの”定理”
サイエンスとアートの類似性を示唆する記事を引用しています。
【参考サイト】
DESIGN IT! w/LOVE:大事なのはトータルな視点での創造する力であって部分的な方法ではない。
【バックリンク】
● サイエンスを愛するアーティスト
● 学ぶということが創造的である
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